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鉄学概論 第4回〜第6回

2007年から2014年まで皆様にお届けしたNYKNewsから、ご好評いただいたコラム溢水口の連載”鉄学概論”をご紹介いたします。

鉄学概論 第4回:音鉄

皆さんの上質な"鉄分"の摂取をお手伝いするコラム溢水口。今回から音にこだわる鉄の話を。

NYKNews Vol.6(2008年3月掲載) 写真:115系上越色

 

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鉄音−鉄道関係の音:走行音、ドア開閉音、発車メロディー、接近メロディー、車内・構内アナウンス、等を愛し、また,これを録音・収集・批評する鉄達を「音鉄」と呼ぶ。
「乗鉄」「撮鉄」と並ぶ「鉄」の一種である。

 

過去を振り返ると、SLの勇敢な汽笛・発車ベルの合図、また初期の電車は唸りが大きかったので多くの音鉄がいた。その後、モーターを搭載した電車が大量投入され、一時は衰退の感もあった音鉄であるが、近年は電子制御の車両や、駅構内に電子音が響くようになり、新感覚の音鉄、いわば「新生音鉄」が生まれている。うれしい限りである。
しかし、乗鉄などと比較すると、そのファン層はまだまだ薄い。中でも鉄子※で音鉄に特化している者はほんの一握りである。理由はいろいろ考えられるが、余りにもコアなため入りにくいのであろう。
例を上げると、
@103系のドア開閉後に発せられるエアーが抜けた様な音「プサ〜」。戦いに疲れた龍がその身体を一時休める時、思わず発する吐息のようである。
A動き出した瞬間"モハ"から発せられる103 系の工事現場作業車の様な音「がらがら がらがらがらがらがら……」115系は「ズ ズズズズズズズズズ……」。まさにこれから旅立たんとする旅人の心を鼓舞する序曲。逞しくも勇ましい!
B最高速度(100km/h)で走行する103系のモーターからの爆音。これは大空を疾駆するワルキューレの行進曲!
他に、
C上野駅に電車が入線する際に流れる接近アナウンスの声、
D東武鉄道鬼怒川温泉駅の発車メロディー 「夜のストレンジャー」、
などなど、一般的には「何がいいの?どうでもいいじゃん…」で片付いてしまう内容である。がしかし、ここに深くダイブ出来る者達こそ音鉄なのである。一般人よ、引かば引け!音鉄達にとってこれらは心を豊かにする秘めた力を持つ、ささくれ立った心を癒すポップス、萌える音なのである。

 

そんな中、発車メロディを聞くと落ち着く人が増えているようで、発車メロディを集めたCDが発売され結構売れていると聞く。
このメロディが音鉄のコアさを瓦解するきっかけになり、鉄音を愛する鉄子が増えてくれることを筆者は願っている。せつに。(A)

 

※鉄子:女性の鉄を称してこう呼ぶ。

鉄学概論 第5回:音鉄A発メロ

3月、18ユーザーを考えていないとしか思えないダイヤ改正が断行され、タダでさえ接続の悪かったダイヤが更に※…まったく!
そんなささくれた心をも癒す発車メロディー、発メロについて。

NYKNews Vol.7(2008年5月掲載) 写真:転車台に載った会津只見号

 

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今でも駅職員は、発メロも含めて発車の合図に流す音を総称して発車ベルと呼ぶが、昔は文字通りベルがけたたましく鳴ったものである(ジリリリ・・・・!)。それが70年代後半あたりから電子ベル音(ピロロロ・・・・)に変わっていく。どちらにしても駅利用客からは耳障りであると不評であった。
そのため1988年、千葉駅での発車ベル廃止をきっかけに、全廃には至らないまでも、ベルを鳴らす時間を短縮させる、など駅の静寂化への機運が全国的に高まった。
音鉄、特に駅音ファンには非常に辛く、寂しい、冬の時代の到来である。
しかし!「確かに発車ベルはウルサイ、でもナンにも鳴らないのは危険じゃない?」という意見もあり、1989年、JRは音響機器の老舗・YAMAHAに発車ベルに変わる合図の検討・製作を依頼するのである。新宿・渋谷駅でハープやピアノ等が発車合図に用いられたのを皮切りに、各駅で楽音による合図が採用されて行く。発メロの誕生である。

 

一口に発メロとは言え、鉄道各社・各駅・各ホームによりその特徴は様々である。1番線と2番線で1オクターブ違う駅、その路線・その駅でないと聞けない、いわゆる「ご当地ソング」の駅、さらに途中ギリ(余韻切り・中間切り・即切りと三形態ある)をする駅、などなど…音鉄泣かせである。もしも、駅構内のスピーカー近くで音入れしている奇態な男達を見かけたら、どうか暖かく見守ってやって欲しい。彼らは、現地に赴き生音を収録、ウェブ公開し、鉄音の魅力を伝える使命に燃える、音鉄の戦士なのだ。

 

筆者のザ・発メロベスト3は、・・・・これだ。
第3位:上野駅
都心がほぼ発メロの中、ここだけは16・17番線除く全ホームがベル。幾多の旅立ち、別れを見守ってきたこの駅に、メロディーはそぐわない。ベルはどこか哀しく響く・・。
第2位:東武日光駅・鬼怒川温泉駅
前号でも紹介した「夜のストレンジャー」。
私鉄で1番好きな発メロである、東武日光駅に比べ鬼怒川温泉駅ではキーが高くなっている。どの時間帯でも必ずフルコーラス、音も大きく、クリアなサウンドを録れる・聞けるスポットとして知られている。
第1位:仙台駅(新幹線ホーム)
仙台市出身の音楽家、榊原光裕氏作曲の独自の発メロ。日常の疲れ・苛立ちを忘れさせてくれる名曲である。もちろんフルコーラス。まさに鉄の『image』だ。入場券買ってでも聞く価値あり!(A)

 

※注)3月のダイヤ改正により、普通列車同士の乗り継ぎがさらに難しくなった。これにより「青春18きっぷ」はその利便性を大きく減ぜられたのである。

鉄学概論 第6回:音鉄B途中切り

中央線・京浜東北線に導入されたE233系…イスの座り心地が改善されていました。ようやく解ってくれたようです、よしよし。
今回も引き続き発メロです。
録り鉄※泣かせの"途中切り"について

NYKNews Vol.8(2008年7月掲載) 写真:ハイブリッド車 E200 小海線

 

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前回も軽く触れたが、発メロをフルコーラス鳴らさずに途中で切ってしまう事を"途中切り"という。
当然、音入れを試みる録り鉄たちは、フルコーラスを狙っている。しかし、利用客の多いラッシュ時はフルコーラスの確率が高いが、始発・日中など利用者の少ない時間帯には途中切りの発生率が高くなる。地方路線に至っては、利用客が少ない上に、ダイヤが薄い※2ため更に悪条件となる。それ以外に事故等で列車が遅れた場合は、駅の停車時間を短くし遅れを取り戻そうとするので、必然的に途中切りが起こる。また、車掌が「この駅の発メロ嫌いだから」なーんてとんでもない理由で途中切りするケースもあるとか・・。発メロのフルコーラスを録る、これがどんなに困難で忍耐力を必要とする作業であるか、お解りいただけたと思う。

 

そんな途中切り、以下の3種に分けられる。
@ 余韻切り
最後の余韻(音の響き)が残っている途中で切るタイプ。余韻の長い曲で起こりやすい。
悪条件をクリアし、ようやく完璧な音入れが完了する、その寸前で切られるのだから録り鉄にはたまったものではない。
A中間切り
フルコーラスのほぼ半分で切ってしまうタイプ。昼間であればどの駅で発生してもおかしくない。面白みがない・感動がない・特徴がない。つまり、お話にならない。
B即切り
メロディーを1〜2秒程度しか鳴らさず切ってしまうタイプ。鳴った音の数から、1音切り・2音切りと表現することもある。
地方路線、昼間、乗客ほとんど無し、この条件下で顕著に見られる。これはスイッチON・OFFのタイミングに高い技量を要する。それゆえ、即切りを聞いた時は怒りを通り越し思わず感心、笑ってしまう。

 

最後に、気に入らない技を紹介したい。
発車ベルをOFFにすると「ドアが閉まります〜」のアナウンスが流れる設定になっているのだが、再び発車ベルをONにするとアナウンスにメロディーが重なるのである。この技を「打ち返し」といい、これを複数回繰り返す事を「連打」という。列車に遅れが出ている際、乗客に素早い乗降を促す目的で行われる。これは新幹線・特急のホームではあり得ない、普通列車向けに特化した技である。新幹線・特急の利用客に対しては、遅れが出たとしても「慌てないでゆっくりでいいですよ」と下手に出るのだが、普通の利用客に対しては「待ってんだから急いで下さい!遅れちゃうでしょ!」と完全に上からの物言いなのである。
新幹線・特急利用客も普通列車利用客も、同じ客である!差別反対!!(A)

 

※ とりてつ:鉄の一種、列車の走行音または発車メロディなどを録音、または走行中の列車を録画する者を称する
※2 運行本数が少ないこと

鉄学概論 第7回〜第9回

鉄学概論 第7回〜第9回はこちらをご覧ください。


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