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鉄学概論 第16回〜第18回

2007年から2014年まで皆様にお届けしたNYKNewsから、ご好評いただいたコラム溢水口の連載”鉄学概論”をご紹介いたします。

鉄学概論 第16回:鉄道のB級グルメ―駅そば

昨年8月まで大糸線で運行していたキハ52-125がいすみ鉄道で期間限定で復活!
50年以上経つ電車、勇姿を見られたことに感激です。
さて、世間ではご当地B級グルメで盛り上っているようですが、鉄道にもB級グルメはあるんです。

NYKNews Vol.28(2011年11月掲載) 写真:ドクターイエロー

 

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「駅そば」とは、以下四点の条件を満たしている「そば屋」のことをいう。
一、駅構内に存在する(改札内外は問わない)
二、安い・早い(これは絶対はずせない)
三、立ち食い(席を用意するくらいなら安く)
四、セルフサービス(配膳するくらいなら…)
ただし、駅そばには業界団体もなく、ハッキリした定義があるわけではない。よってこの条件も筆者の勝手な決めつけである。
駅そばといえば、都市圏のサラリーマンが通勤途中に慌ただしく食事を済ませる所、というイメージがあるが、明治30年代、信越本線・軽井沢駅での待ち時間(急峻なうすい碓氷峠越えのため、蒸気機関車からアプト式鉄道へ乗り換える必要があった)に、乗客へ供されたのが始まりという説もあり※1、もともとは長距離列車の停車駅を中心に発展したと考えられる。

 

「駅そばなんてどの店でも似たもんでしょ?」
と思われる方も多いと思うが、各店により、ダシの濃さ※2、麺の違い、その駅独自のメニューがあるなど、以外とバリエーションがある。
麺だけを例に取っても、3パターンはある。
@茹で麺:製麺所で予め茹でられた麺
駅そばの主流。早さ・安さは一番かと思う。
しかし、のびを防ぐためにつなぎに強力粉 を使用するので、太くてもそっとした食感となり、味はちょっと…。JRあじさいなど。
A生麺1:予め店内で茹で置き注文後に温める
早いし、味もいい線いっているが、茹で立てにあたるかどうかが鍵。下手するとのびた状態のものが出てくる。ギャンブル性が高いと言える。小諸そばが代表的。
B生麺2:注文後に茹でる
普通のそば屋と同じ為、味は一番良いが時間・値段ともにUPとなる。独立店や小さいチェーン店に多い。

 

最後にご当地名物の駅そばと言えば、北海道の宗谷本線・音威子府駅(おといねっぷ)の常盤軒「黒いソバ」ははずせない。蕎麦の実だけではなく、甘皮まで挽いて入れているので、蕎麦の香りの強い麺ができあがる。そして強烈なそばの味に負けない濃い出汁もなかなかである。ただこの駅、車での訪問は容易だが、電車で訪問となると厄介である。宗谷本線は、営業時間内に音威子府駅へいける列車の本数が、特急も含め5本足らずしかないのである。ある意味で食べるのが難しいそばと言える。(A)

 

※1 文献など確たる証しはない。
※2 関東〜東海にかけては関東風鰹だしで色が濃い。米原駅から西は関西風昆布だしで色の薄いだしとなる。

鉄学概論 第17回:行くぜ!701

巨大ローカル線として有名な飯田線で活躍してきた直流近郊形電車119系が今春をもって全廃。抵抗制御削除の波が飯田線にまで及ぶとは・・・。
さて鉄学概論も丸5年。今回は初心に帰り701を復習しようと思います。

NYKNews Vol.30(2012年3月掲載) 写真:只見線・会津川口駅

 

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今年1月から2月にかけてJR東日本が展開した「行くぜ!東北」キャンペーン。「今行かないでいつ行くんだ」とはいうものの、東北地域には701が手ぐすね引いて待っている。ロングシート採用の、登場当初からすこぶる評判の悪い車両である※。出来れば乗りたくない代物だが、東北復興への協力とあらば背に腹はかえられぬ。ポイントを抑えさえすれば有効活用も可能かもしれない。そこで今回は今一度701の傾向と対策を検証する。

 

@乗車位置
ドア付近シート両端は、冬期はドアが開くたびに寒風にさらされることからお勧めしない。
ベストは、中央部で窓の間の柱が後ろにある席である。柱に頭をもたれる事も可能な上、車窓もよく見えるからである。
車端部には3人分の席があり、両方が壁みたいになっているので、ちょっとしたボックス席の雰囲気でここもまあまあ。ただし揺れるので(次項参照)乗物酔いしやすい方にはお勧めできない。
A横揺れ
かつて「通勤電車を考える岩手県民の会」が車体の揺れ方に関して調査しているが、それによれば、縦揺れは総じて好結果なのだが横揺れは、50系客車は横揺れが生じても減衰していくのに対し701系はなかなか減衰しない。特に車端部の揺れは正弦曲線で近似できる程で、変位x(cm)と時間t(秒)との関係は、
x=2.5 sin 6.3t
となる。つまり車端部は毎秒5cm左右に揺れることになる。
加えて、東北地域は全体的に路盤の整備をあまり行っていない為、軽い車体のクハ・サハは揺れやすい傾向にある。よって、比較的重いクモハ車に乗車し、手摺・網棚などにしっかりつかまっておきたい。
B乗らない方法を探す
やっぱり、可能ならこれが一番である。東北本線であれば719やE721系(全部セミクロス)も運用に混じっているし、仙山線と磐越西線に今のところ701の編成はない。
また、幹線でない地方交通線を使えば非電化区間なのでヤツは入ってこられない。
路線廃止阻止にも効果を見込めるので、私鉄もどんどん活用したい。その他、高速バス・路線バスなどあらゆる交通手段を駆使すれば701になど頼らずとも東北に行ける。
応援したいのはあくまでも東北である。701ではない。(A)

 

※ 筆者はクロスシートをこよなく愛しています。
運搬効率はともかく、旅情を一切顧みないロングシートのことをまったく認めていません。

鉄学概論 第18回:急行列車

埼京線・横浜線の通勤形車両205系が来年以降E233系へ順次入れ替わることになりました。
界磁添加励磁制御の命もカウントダウンになりましたね・・

NYKNews Vol.32(2012年7月掲載) 写真:しなのと旧特急あさま

 

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今春公開された映画『ALWAYS 三丁目の夕日'64』。開業したばかりの東海道新幹線が登場する一方、鉄道ファンとしてはもうひとつの見所がある。キハ58系「急行アルプス」だ。当時の一等車※1の特徴と編成を忠実に再現している。JR各社の定期急行列車は、今では青森―札幌間の「はまなす」を残すのみ。当時数多くあった急行列車は、なぜ消えてしまったのか…。

 

「急行」は1894年、山陽鉄道(現在の山陽本線)が始めた種別である。'06年には急行列車の上位種別として「最急行」が設定され、その速達料金として急行料金を徴収した。この名残で、官営鉄道から国鉄へと急行料金が引き継がれた。
急行は国鉄の増収策として全国の路線に導入され戦後最盛期を迎えたが、昭和後期から次々と姿を消していく。
その理由は、新幹線とL特急※2が誕生し、バブル経済期には特急列車が庶民に浸透し、同じ路線でも急行より設備の良い特急が好まれるようになったこと、また大手私鉄が急行料金不要の「急行」を登場させたため、タダではない急行列車が中途半端な存在となってしまったためである。

 

JRも大手私鉄にならって急行料金を廃止し、快速を急行と改称とすれば、並行する私鉄と比較してわかりやすいと思う。あるいは急行料金を残し、旧型の近距離特急を急行に格下げすれば、オトクな列車として利用者が増えそうな気もする。ちなみにJRの急行料金は50kmまで530円。自由席B特急料金は50kmまで500円。50km未満の区間では、急行料金よりB特急料金のほうが安いのだ。それでも急行に格下げせずに特急とし、B特急という料金体系を作るあたりに、特急という種別のブランド力が感じられる。

 

最後に、通勤ライナーについて。分類上は快速列車になっているが、急行料金に近い価格の乗車整理券代を支払う必要がある。急行ではないが急行に近い列車、俗に「みなし急行」と呼ばれるものの一つである。
このライナーが曲者。例えば上野発「ホームライナー鴻巣5号」、上野発19:40―鴻巣着20:31で所用時間は51分である。しかしその付近の時刻で、列車番号3943M通勤快速は、上野発19:30―鴻巣着20:11となっており所用時間は41分、つまり特別料金を払って10分遅い列車に乗ることになるのだ!(A)■

 

※1 現在の「グリーン車」。当時は等級制で「グリーン車」ではなく「1等車」と呼ばれていた。
※2 Lについては、Limited Express(特別急行)、Liner(直行便)、などの頭文字説があるが、定かではない。

鉄学概論 第19回〜第21回(最終回)


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