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水の話 第1回 水のお値段

このコーナーでは、水のコスト、名水、山の水、水災害、トイレの続き、お風呂など幅広くお話いたします。

NYKNews Vol.13(2009年5月掲載) 写真:屋久島 白谷雲水峡

 

地球上の水は海水が97・5%、淡水が2・5%で氷河や南極・北極の氷以外の人間が生活に利用できる水はわずか0・01%と言われている。一時、中近東の石油産輸国は油より高い水を飲んでいると他人事のように言っていたが、今では他人事ではなく、家にいても、外出する時も多くの人が500ml100~130円のペットボトルの飲料水を買い求め使っている。場所によって差はあるがガソリン約110円/㍑とすると、飲料水はガソリンの倍の値段である。もっともある調査によると水道水を浄水器などを通して飲んでいる人、水道水をそのまま飲んでいる人も少なくないことも事実である。
因みに日本人は月に一人約20本のペットボトルを消費しているそうで、途上国では年々ペットボトルの消費量が増加傾向にあり、水道水が安心して飲める地域でも需要が伸びている。世界の水(500ml)のお値段は、筆者が実際に海外で買い求めたものを含め、別表のようである。

 

一方、日本の山では標高が高くなればなるほど値段も高くなり、以前、本NEWSで取り上げた〝山のトイレ〟で汚物をヘリコプターで麓まで運んでいると書いたが、水もヘリコプターで運び上げている。食料と同じように運搬料が高く、ペットボトル(500ml)入りは富士山では500円、尾瀬では350円、北アルプス穂高岳では300円くらいで、自販機のある小屋もある。
水事情が厳しい山小屋では、宿泊者には飲み水は魔法瓶1本分位を無料で提供する小屋と100円位するところもある。小屋の水は天水(雨水)か源流から湧き水を延々とパイプで小屋まで引いたり、様々であるが最近の谷川の水は汚染されそのまま飲めるところが少なくなってきている。
余談になるが北アルプスの燕岳や常念岳の山荘ではシーズン中は冷えたジョッキの生ビールが名物で800円でもよく売れるようである。常念岳では小屋の前の休憩所で眼前の槍ヶ岳を見ながら飲む生ビールの味は格別である。数年前の夏に常念岳に登ったとき、自分は飲めないので清涼飲料水、家内と息子はジョッキのビールを旨そうに何杯も飲んでいたことを思い出す。

 

ところで水道水の復権のため、都を初め各自治体は〝安全でおいしい水〟作りに取組んでおり、都ではPRも兼ね水道水を一本100円で売っている。水代は0・1円、ボトル代45円、搬送費15円、塩素を抜くために7円、梱包用ダンボール代3円、販売手数料30円で計100+0・1円となる。
ペットボトルの水を飲む前に自宅の水道水も飲んでみてはいかがでしょう。

 

参考資料:水道ニュース(東京都水道局)

第2回 水のお値段 続き

私たちは値段がつくものについては、お金を払えばいくら使ってもいい、と思っている節がありますが、果たして…。

NYKNews Vol.14(2009年7月掲載) 写真:屋久島 千尋の滝

 

世界で水道水をそのまま飲める国は少なく、欧州ではヘルシンキ、ストックホルム、コペンハーゲン他、米国ではホノルル、サンフランシスコ、バンクーバー他、数えるほどしかない。日本では何処でも水道の水は飲めるし、家庭では一所帯平均4人として約1000㍑/日の水を使い、水道代は自治体により差はあるが約6000円/月で1㍑0・2円である。この単価だけをみると一見それほど高く感じないが、多くの建物では飲料用も、トイレ・洗車・庭の散水なども同じレベルの水を使っているので、考えてみればもったいない話である。
そこで用途に応じた水質の水を供給する多元給水と言う考え方が提案されている。現実に首都圏など大型ビルでは新築時に水の再利用を義務づけられ、雨水や洗面・厨房排水などを処理してトイレの洗浄水や洗車、散水などに使用している。食品添加物に使われる色をつけたりして、飲料水などと識別できるようにしているビルもある。大型の都市開発などではインフラとして雑用水用(工業用水)を用意している場合もある。再利用水だからと安く思われがちであるが、設備投資など処理費を考慮すると思ったほど安くはないのが現実である。要は省資源、省エネルギーへの姿勢である。

 

公共料金の一つである水道料金は、日本を100とすると米国は約60、フランス約170、ドイツ約270など欧州は割高にみえるが、他の公共料金が割安な面もあり一概に評価はしにくい。
一方、水資源となる雨量は、世界全体では年間一人あたり約34000mmといわれ、日本は約6000mmで一人あたりで比較すると世界平均の1/5以下である。
日本は急峻な地形の島国で平地が少なく、河川は短く流れが急なため、降った雨は短時間で流出する。よって、洪水が発生しやすく、雨が少ないときには渇水になる可能性が高い。使える水として、川、池、地下水などに残るのは降雨量の1/3しかない。左表に世界と日本の河川の比較を示す。日本は水が豊富なようで実は厳しいという現実を認識しなければならない。
経済発展を支えるエネルギー開発や食料生産のために水は大量に使われ、世界の主要河川の水量の減少とともに、世界の水事情はますます枯渇の危機に瀕し、実は地球温暖化以上に深刻と言える。

 

さて、先号、国際宇宙ステーション「きぼう」で若田さんが尿をリサイクルした水を飲むと紹介した。
その後、尿を加熱や遠心分離して再生した水を飛行士たちがストローで一緒に飲み、〝尿から再生の水で乾杯〟したこと、地球から運んできた水と全く変らないとのコメント、地上のジョンソン宇宙センターでも同じ装置で作った再生水を飲んでいた、という記事が新聞に掲載されていた。

 

参考資料:〝森と水のサイエンス〟企画・編集(社)日本林業技術協会

 

第3回 都市の水害

今回は、近年頻発している都市型水害について。

NYKNews Vol.15(2009年9月掲載) 写真:水郷 近江八幡

 

日本の国土はもともと人が住める平野が5%位といわれ、少ない平野部は昔からの河川の氾濫のくり返しで土砂が溜まってできた土地である。この上に多くの都市は発展してきている、つまり、水害を受けやすい土地に我々は住んでいるといえる。
毎年、梅雨時から台風シーズンになると、日本のどこかで水害、土砂災害のニュースが流れるが、山間部や造成した土地だけでなく、都市でのゲリラ豪雨や河川の氾濫による被害が度々発生し、自然の猛威になすすべもなくお手上げの状態である。
再開発で新しく生まれ変わる都市では、地面のほとんどが舗装されるか建物で覆われ、雨水が浸透し難くなり、短時間に大雨が降ると下水管や河川に集中することになる。都市にはりめぐらされた下水管の能力は、1時間当たり50mm程度の降水量を目安にしており(東京都など)、これを超えた場合は、地下や大きな河川の近くに造った、一時的な調節池に流して対応している。建物ごとでは、水害の軽減や下水道への負荷改善のために、浸透ます、浸透管、浸透側溝、透水性舗装などを、雨水浸透施設として推奨しているが万全ではない。

 

都市では再開発や交通機関の発達で、地下を利用する機会が多くなっているが、大雨による冠水で、地下への浸水による死亡事故が、東京新宿区や福岡市で発生している。
これまでに発生した水害の例から、浸水が始まってから早い場合で、10分間に10~20cm程度水面が上昇、20~30分で膝までくることが分かっている。図は、水面の上昇速さを毎分2cmとした場合、地下室が所定の深さに侵水するまでの時間を、地下室の面積と入り口の巾の比との関係で示している。
地下鉄や地下街の出入り口を一段高くする、また、入り口に止水板を設置するなど、浸水対策は個々の建物が自衛するしかないようである。地域の浸水の履歴調査、土のうや止水板での浸水防止など、設計での考慮や使用段階での注意が適切であれば、事故はある程度防止することができる。
しかし、いったん地下室への浸水が始まれば、水圧で扉が開かなくなる、停電により電灯が消える、エレベータが停止する、などにより脱出は困難である。浸水し始めたら即避難が第一であり、浸水に対する対応を日常から心がけておかなければならない。
〝備えあれば憂いなし〟である。

 

参考資料:(財)日本建築防災協会 建築物防災推進協議会
浸水時の地下室の危険性について 他

水の話 第4回~第6回

水の話 第4回~第6回はこちらをご覧ください。

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