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バルジング振動実験

中央大学平野廣和教授とその研究グループが、愛知工業大学耐震実験センターの大型振動台を用いて行った振動実験の結果をご紹介いたします。
この実験での鋼板製一体形タンクはバルジング現象が発生していないことが確認されました。

 

鋼板製一体形タンクの地震時における振動応答特性

 

 

 

鋼板製一体形タンクの構造の特徴

 

 

 

実験映像

外部映像 入力波:兵庫県南部地震 50%

 

実験結果

 

 

 

 

地震波のスペクトル解析

今回の実験で入力した神戸の地震波をスペクトル解析した結果
神戸地震波には高周波数成分がほとんどなく鋼板製一体形タンクのスペクトルピークと一致しません。
このことから鋼板製一体形タンクは神戸地震波の影響を受けにくいことがわかります。

 

他の地震波のスペクトル解析結果からも、高周波成分を多く含む地震波はあまりないことがわかります。
鋼板製一体形タンクのように高周波数側にスペクトルピークを有するほうが被害を受けにくいと考えられます。

 

 

バルジング現象について

鋼板製一体形タンクの動液圧は底面から水面に近くなるにつれて線形的に増加しています。
このことから、水面付近のみの局所的なスロッシング現象が発生したことが考えられます。
つまり、パネル中央が大きく膨らみタンク内の水と側板が連成する、
タンク内の水全体で生じるようなバルジング現象は発生していないことがわかります。

 

 

まとめ

・剛性が高く、パネルの加速度応答が小さい
・パネルのスペクトルピークが9.7Hz 
 ⇒高いスペクトルピークをもち、ピークと一致する振動数の地震は発生しにくい
・水面に近づくにつれて線形的に動液圧増加
 ⇒バルジング現象は発生していない

 

 

 

鋼板製一体形タンクは、剛性が高いことから、9.7Hzと高いスペクトルピークをもっており、
このピークと一致する振動数の地震は発生しにくく、今後も大きな被害には至らないと推定されます。

 

 

参考文献

塩野谷遼,平野廣和,井田剛史,佐藤尚次:構造形式の異なる貯水槽の地震時における地震応答特性の比較,第69回土木学会年次学術講演会,Ⅰ-160, 2014.9.

 

 

中央大学平野廣和教授の貯水タンクの耐震性向上に関する研究はこちらです。
貯水タンクの地震被害調査と対策|中央大学 平野研究室
構造形式の違う貯水タンクのバルジング振動応答特性の比較

 

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