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鉄学概論 創刊号〜第3回

2007年から2014年まで皆様にお届けしたNYKNewsから、ご好評いただいたコラム溢水口の連載”鉄学概論”をご紹介いたします。

創刊号 鉄ファンのぼやき※

NYKNews Vol.1(2007年5月掲載) 写真:701系

 

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今、鈍行旅が消滅しようとしている。
東北地方に導入された701 系都市近郊型列車。この列車を見てただ一言、

 

「ああ、終った…」

 

都会の通勤電車ばりのオールロングシート電車が、東北の在来路線を走りまわるというのだ。
それまで、東北北部の交流区間の在来線(東北・奥羽・羽越線など)は、50系客車がメインで基本はクロスシート。
車窓に顔を向け景色と駅弁と鉄音を楽しめた−もちろん普通料金で。

 

しかし、とんでもない革命がおこったものだ。
車窓に背を向け、立ち客の足を眺めるしかないオールロングシートは風情も何もあったものではない。おまけにこのシート、長時間座っていると尻が痛くなる。簡素な内装・従来より1両減って2両編成・“キンコン〜〜キンコン〜〜”とうるさいドア音。
まさに人を輸送する為の、走るしか能がない列車の誕生。この手の列車を一部鉄ファンは「走ルンです」と呼ぶ。
良いところを強いてあげれば加速性能が良いことくらいか?。
その導入域は拡大の一歩で、今では東北地方ほぼ全域を占めている。

 

もちろん、JRサイドで考えれば、どんどん新しい電車に更新していったほうが、エネルギー効率が悪い旧式車を引っ張るより長期的には省エネ・省コストで、地球にやさしい電車である。
電車は旅情のためにあるわけではない、と言いたいのであろう。

 

がしかし、旅客鉄道会社が自らの手で旅情を捨て去ろうというのだ。
このままでは旅はただの移動運搬になってしまうだろう。(A)

 

※編集部注)
鉄ファン:鉄道マニアが自らを称して言う。

鉄学概論 第1回: “鉄”の分野

創刊号では“鉄ファンのボヤキ”が皆様からご好評を頂いたとのこと。そこで、本号からは“鉄学概論”と題し、皆様に上質な“鉄分”を摂取して頂こうと思います。

NYKNews Vol.2(2007年7月掲載) 写真:蓮田駅に集結した“撮鉄”の皆さん

 

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 一括りに鉄ファンといえど、各個人により少〜しずつ、勉学(嗜好)する“鉄”の専攻分野(好物)が異なってくる。その代表的な例として、以下の3分野が上げられる。

 

@乗鉄(ノリテツ)
列車に乗ることが好きな鉄ファンを指す。
この種の“鉄”には、運転手好き・内装好き・鉄道旅行ファン等も含まれていると考えてよい。例えば座席について、「京急2100 系は心地よいクロスシートで100点、JR 701系はごつくて硬いロングシートで2点・・ 」などと評価するのは“乗鉄”である。
“鉄”の基本軸であり、他の“鉄”はここからその系譜をたどることが出来ると言ってよい。

 

A撮鉄(トリテツ)
一言でいえば、「カメラ小僧」である。
駅ホームの前端、後端に、一眼レフを持って構えている「いかにも」な集団をご覧になったことがあるかと思う。
これが、“撮鉄”である(写真参照)。
彼らの特筆すべき点は、駅構内に限らず、原っぱ・田んぼ・草ムラ、等のあらゆる撮影ポイント、およびそのポイントの、臨時特急・貨物の通過時刻をきめ細か〜く記憶している所である。つまり、“撮鉄”学は“時鉄”(ジテツ:時刻表、ダイヤ等、時刻系に特化した“鉄”)的センスも同時に併せ持たねば専攻できないのである。

 

B音鉄(オトテツ:筆者の専攻分野)
鉄音(モーター音・ドア開閉音・発車メロディー等、鉄道に関連・付随するあらゆる音)を専門とする鉄ファン。「東京駅の京葉線地下1番ホームの発車メロディーがGood!」とか、「103系抵抗制御のモーター音が、Qoo!※」とか、音酔いを得意とする。しかし、メロディーは数が無限近くある。よって記憶力(いかに多くのメロディーを覚えているか)が“音鉄”各個の評価を左右する。

 

この他に、前出の時鉄・線鉄(センテツ)・駅鉄(エキテツ)、等があるが、その詳細は次回以降、機会があれば論ずることとする。
次回の“鉄学概論”は、「乗鉄:座席学」を予定。(A)

 

※発音は「クゥーッ」一部鉄ファンが感極まって上げる雄叫び。秋葉系の"萌え"と同義。

鉄学概論 第2回:座席学 (1)

皆さんの上質な"鉄分"の摂取をお手伝いする"鉄学概論"。前号は担当メモリーオーバーにより休講させて頂きましたが、本号から通常に講義を始めましょう。

NYKNews Vol.4(2007年11月掲載) 写真:103系とその内部

 

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座席学は“鉄”の超基礎学問であり、これを修得しないことに"鉄学"は始まらない。

 

座席には、窓に背を向けるロングシートと窓と背が90°になるクロスシートの2タイプあるが、今回はロングシート、殊にJRの
ロングシートに焦点をあてたい。
ロングシートの歴史は意外に浅い。戦前−蒸気機関車時代はクロスシートが基本であった。戦後高度経済成長期に、人の輸送力増強が必要不可欠となり、@収容力の確保、A乗降の安易さ、B車両製造コスト減、この3点を実現するためロングシートが誕生したのである。
首都圏主要路線のロングシートと言えばとにかく103系(1963〜)。この列車の特徴は、・・はっきり言って無い。が、当時の設計者が「いかに輸送目的とはいえ、少しでもくつろげる様な座席にしよう」と考えたのかどうか、ソファーの様な適度なバネが効いていて座り心地は決して悪くない。
背もたれは少々固いものの、近距離の移動であれば十分合格の70点(モーター音は120点)。このシートの特徴は107・201・203・205・207系まで受け継がれた。
しかし平成5年、IS革命※1が起こった。
この年JRが導入した新型車両209系の椅子に座って言葉を失った。それまでのイメージがソファーだとすると、まるでベニア板。
座面の沈み込みは全く無く「尻強化耐久椅子」、背もたれは凹凸形状で姿勢正しく座らされる、通称「矯正椅子」である。「くつろぐ必要はない。快適もいらない。サービスもほどほどでいい」こんな座席が本当に次世代の標準なのか?鉄ファンの間でも賛否両論となった(体型がジャストフィットする為、私個人としては25点つけても良い)。だが全く話にならない座席が誕生し
た。それが創刊号でも取り上げた例の701系である!
地方でロングシートというだけでもペケなのに、座面・背もたれともにベニア、さらに寒い時期は座面が熱せられるタイプ、床暖房みたいで暖かいと感じるかもしれないが、長時間座っていると熱い!その為、背もたれにこんな注意書きがある始末である。

 

"あつい!注意して下さい"

 

空いた口が塞がらない。どうやって注意しろと言うのだ。熱かったら立ったり座ったりして下さいとでも?(前回2点と評価したけど訂正、- 50点!)
岩手県で、この座席に憤激した鉄チャンらにより「通勤電車を考える岩手県民の会」※2が発足されたのは有名な話である。

 

革命以降の十数年、E217・E231・E531系、さらには私鉄小田急3000系、相鉄10000系などなどこの系譜で完全に染まってしまった。"鉄"たちは、このような電車を「走ルンです」、「巨大妖怪デススター」などと蔑み、「ロングシート=天敵」という図式を定着させたのである。
どんな新型車両が誕生しようと「乗り心地の良い座席設計をしてほしい」と願う、それが"乗鉄"ってもんである。(A)

 

※1 IS=Insane Seatの略。「バカげた椅子」の意。担当(A)の造語。
※2 全国鉄道利用者会議発足時に発展的解消、同会議東北支部となる。

鉄学概論 第3回:座席学(2)

今年も上質な"鉄分"をお届けする"鉄学概論"。
筆者は未だ大宮鉄道博物館に行っておりません…。
「そんなの関係ねぇー」ってことで今回は前回に続き座席学。ようやくクロスシートの話に漕ぎ着けました。Qoo〜!

NYKNews Vol.5(2008年1月掲載) 写真:115系の勇姿

 

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もう一度確認しよう。クロスシートとは窓と背が直角になる座席、鉄的に言うと「風景・駅弁を楽しむ座席」と定義される。
シート形状は多様で、基本はボックス型であるが、札幌・名古屋・関西などの鈍行列車には、高レベルのシートがたくさん!
競合他社、または並走する高速バスなどから顧客を奪う為に、快適さの向上が必然的に生まれるのである。中でも、JR東海311系と名古屋鉄道7000系の対決は高レベル。

 

さて、そんな“鉄”のためのシートたるクロスシート、中でも鈍行列車によく見られるセミクロスシート※1について特筆したい(と言うか、それしか書けない。鈍行しか乗れないからね)。
セミクロス車両で最も歴史が長いのは113系・115系(写真参照)で、この系列違いの同型車両(401・415・455等)が高度経済成長期に導入され、今でも長距離用として活躍している。国鉄時代には窓側にテーブルと灰皿があり、シートは伝統のJNRブルー、ボックスピッチも1.4mと狭小であったが、数回の仕様変更の末、灰皿もなくなり、ピッチも1.47mと改善、現在に至っている。
そんな中、未だに「狭い・疲れる・うるさい」という声もある。情けない、筆者はこういう輩には喝を入れずにおれない。
「それでも"鉄"か!」
そりゃ、特急と座り心地を比べれば比較にならない。当たり前である。しかし、"鉄"旅に欠かせない三大要素―風景・駅弁・鉄音―この全てを満たす他に代え難い名車ではないか!(しかも普通料金)。鉄道の原点・座席の原点・モーター音(抵抗制御)の原点。特にモーター音!始動時のコンプレッサー音「ズズズズズズズ〜〜〜」が勇ましくてかっこいい!(編注:筆者は音鉄です)
こんな車両はもう出てこない。いつ全滅してしまうのか、乗鉄・音鉄はいつもドキドキハラハラである。両毛線・内房/外房線・大糸線はカウントダウンに入っている※2。

 

最後に113・115系に非常に冷徹なマイナーチェンジを断行したJR東日本に物申す!
オールロングシートに変更?何これ?!旅は二の次、人間運搬用に切り替えか?さらに去年3月のダイヤ改正で常磐線上野〜水戸間415セミクロスからE531ロングシートに総とっかえ。水戸〜いわきがE501ロングシート、いわき〜原ノ町〜仙台は下手すれば701!東北本線で仙台へ行こうとするとE231と701のえじきに!
ああ、実に嘆かわしい・・・。(A)

 

※1ロングシートとクロスシートの複合型、通常はドア付近にロングシート、ドアとドアの間にボックスシートを配置する。
※2特に大糸線、信濃大町〜南小谷に関しては115系の運用は1日1往復しかない。他は全てE127系ワンマンカー。

鉄学概論 第4回〜第6回

鉄学概論 第4回〜第6回はこちらをご覧ください。


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