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シリーズ 災害 | 第1回 地震の種類

このコーナーでは、数回に渡って災害に関する話題を扱っていきます。

NYKNews Vol.1(2007年5月掲載)

 

地震はプレート(岩盤)のぶつかり合いという地球の営みにより起きますが、日本列島は複数のプレートの境界にあるため、さまざまな地震が発生しています。

 

[1] 内陸型・直下型地震
1995年(平成7年)の兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災 マグニチュードM7.3)はこの代表的な例で、プレートどうしのひずみを数十秒という短い時間で解放する形で震動とずれが真上に伝わるので、烈しい上下動を伴う震動で一気に建物を破壊します。このように活断層がずれて発生する地震が、“内陸型地震”、震源が都市の真下に有る場合が"直下型地震"と言われています。

 

[2] 海溝型(プレート型)地震
1923年(大正12年)の関東大震災に代表される地震で、海側プレートの滑り込みにより発生する地震を“海溝型地震”と言います。上に乗っているプレートの先端が下のプレートの潜り込みに引きずられて沈み、ひずみの限界での反動で跳ね上がり元に戻る時に発生する地震で、マグニチュード8クラスの大地震を発生させます。

 


(参考文献:「考え方・進め方 建築耐震・設備耐震」オーム社,平成19年,5頁)

第2回 地震波:P波・S波

今回は地震の力を伝える波、地震波についてお話しします。

NYKNews Vol.2(2007年7月掲載)

 

地震は震源から振動となって放射状に地表に伝わりますが、これを"地震波"といい、縦波と横波があります。縦波は最も早く(Primary)伝わるのでP波と呼ばれ、地震波の進行方向に伝わる波で、地表に達するとき周期の短い小刻みな縦揺れを起こす地震に変ります。

 

横波は2番目(Secondary)に到達するのでS波と呼ばれ、P波より遅れてユサユサと大きな横揺れ(主要動)を起こすのがS波です。P波とS波は同時に発生しますが、伝わる早さは地表付近の岩盤内部でP波は約7km/s、S波は約4km/sです。
P波とS波の伝わる早さの違いから、観測地点から震源までの距離を推定することができます。また、P波を観測した段階で遅れてくるS波をチェックして地震の大きさを予測し、S波が到着する前に対処しようとする緊急地震

 

情報が試みられています。
この試みで2004年の新潟県中越地震で新幹線が脱線で済んだのは、対向列車が無かったことも幸いしていますが、非常ブレーキと停電を直ちに行ったのが役立ったと言われています。
地震波は、硬い地盤から軟弱な地盤に入ると大きくなり、阪神大震災で震度7を記録した"震災の帯"と呼ばれる地帯も、地震波の増幅が原因だったと言われています。

(参考文献:「考え方・進め方 建築耐震・設備耐震」オーム社,平成19年,5頁)

第3回 ガル(gal、加速度)

災害に関するお話をしています、このコーナー。今回は地震動の大きさを表す“ガル”について。

NYKNews Vol.3(2007年9月掲載)

 

ガルは、地震の揺れの強さを表したもので、人や建物にかかった瞬間的な力に対する量です。地球上で我々が受けている重力加速度が980gal(単位はcm/s2)で、地震があると、地面の揺れによって建物や人に加速度が働きます。この加速度の最大値を使って地震動の大きさをあらわすことがあります。地震動の最大水平加速度が980galあった場合、瞬間的にそのものと同じ力が横から働いたことになります。関東大震災ではおおよそ330gal、兵庫県南部地震では最大800galを超える横揺れが観測されました。

 

食器棚や家具が倒れるのは、最初の揺れの影響が大きく、瞬間的な加速度に左右されます。建物や橋など大型建造物の破壊は、瞬間的な力より、ある時間にかかった力の総量によります。図1.の様に縦長の家具が転倒した場合、地震の加速度は幅と高さの比に重力加速度(980gal)をかけた加速度以上の力が加わったと考えられるので、それ以下の加速度では転倒しませんが、それ以上であれば転倒防止の処置が必要であると言えます。震度6強においては最大加速度が1500gal程度になるので、家具を固定するには自重の1.5倍の力に耐える固定をしておかなければならないことになります。
今年7月16日に発生した新潟県中越沖地震では、柏崎刈羽原発の耐震設計で想定している地震規模を大きく上回る揺れを観測し、被害もさることながらその安全性が問われています。

 

表A.のkine(カイン)は、地震動の大きさを速度の単位で表したもので、1秒間に1cmの変化すなわち1cm/sを1カインといい、日本独自のもので国際的には通用しません。ものが壊れるのは加速度より速度による場合が多いと言われています。

(参考文献:「考え方・進め方 建築耐震・設備耐震」オーム社,平成19年,12~13頁)

シリーズ 災害 第4回~第6回

シリーズ 災害 第4回~第6回はこちらをご覧ください。

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