NYK 日本容器工業グループ 株式会社エヌ・ワイ・ケイ

樹脂の話 第10回

Vol.10 ポリ塩化ビニル
塩ビ、と言えば「グレーのパイプ」ですよね。

NYKNews Vol.10(2008年11月掲載) 図:ポリ塩化ビニルの化学式

 

NYK,受水槽,貯水槽,メーカー,鋼板製一体形タンク,食品タンク,エポキシ樹脂ライニング,防食施工

1. ポリ塩化ビニルとは
ポリ塩化ビニルとはモノマーの塩化ビニルをラジカル触媒によって付加重合して得られる高分子で略号はPVCです。一般的には塩化ビニールや塩ビと呼ばれています。PVCは可塑剤(柔軟性を改良する添加薬品)や充填材を混ぜる量によって軟かいもの(軟質塩ビ)から硬いもの(硬質塩ビ)まで幅広い材料を作ることができます。

 

2. PVCの主な特徴
・透明性を有している(グレーのものは 顔料が添加されている)。
・ガラス転移点は75〜85℃を示す。
・難燃性で防火に優れている。
・電気絶縁性に優れている。
・耐水性に優れ、加水分解されない。
・耐酸性、耐アルカリ性に優れている。
・脆化温度は-5℃前後と耐寒性に劣る。
・アセトンなど一部の有機溶剤に弱い。
・高温(約200℃)で脱塩化水素反応を起 こし、変色・劣化する。

 

3. 用途
PVCの需要全体のうち、軟質塩ビの占める割合は約40%、硬質塩ビの占める割合は約60%です。
■3.1 軟質塩ビの用途
最も多い用途は農業用フィルムやラップフィルムなどのフィルム関係で、全体需要の約11%にあたります。次に多いのが電線被覆材で約10%の需要があります。その他に床材、塗料、壁紙、ホースなどの用途があります。
■3.2 硬質塩ビの用途
硬質塩ビの大半を占めているのが、水道管などのパイプや継ぎ手関係です。このパイプや継ぎ手関係だけでも全体需要の約40%にあたります。この他に雨樋、サイディング、窓材等の用途があります。

 

4. リサイクル
農業用フィルムのリサイクル率は約60%で床材やシートなどの原料に再利用されています。最も需要の多い硬質塩ビパイプや継ぎ手は、その約60%が再生塩ビパイプとして再利用されます。
PVCは他の樹脂に比べて異物混入の影響が少ないため、比較的リサイクルしやすい樹脂といえます。また、リサイクル塩ビパイプや、塩ビ床材はグリーン購入法の特定調達品目にも指定されています。

 

水道管用の塩ビパイプを使ってスピーカーを自作する人達もいるようです。見かけからは想像がつかない音の綺麗さだそうですよ。皆さんご存じでしたか?

樹脂の話 第11回

Vol.11 ポリプロピレン
和田アキ子さんなどを擁する大手芸能プロダクション。
…そりゃ、ホリプロですって。

NYKNews Vol.11(2009年1月掲載) 図:ポリプロピレンの化学式

 

NYK,受水槽,貯水槽,メーカー,鋼板製一体形タンク,食品タンク,エポキシ樹脂ライニング,防食施工

1. ポリプロピレンとは
プロピレンを重合して得られる高分子であり、プラスチックの分類を表す略号はPPです。充填材を配合することで特性が大きく変化する特徴があります。

 

2. 日常生活で見られるPP
■食品トレイ
惣菜や弁当容器の本体にはPPが多いです。耐熱性(約120℃まで)や耐油性が良く、電子レンジでの加熱ができます。しかし、透明性はそれほど良くありません。このため、耐熱性は劣る(約90℃)ものの、透明性の高いポリスチレン(PS)が使われます。油の多い料理を電子レンジで加熱した場合、蓋だけが変形することもあるようです。

 

■ケース等
PPの最大の特徴は繰り返し曲げに強いヒンジ特性を持つという点です。この特性はDVDケースやプラスチックバインダーなどに応用されています。

 

■フィルム
PPフィルムは強度が高く、防湿性があり、低価格なことから、パンやスナック菓子など食品包装に多く見られます。また、タバコの包装やクリアファイル等にも用いられています。

 

■繊維
PPロープは天然繊維よりも強く、軽量(密度0.9g/cm3)で作業性が良いため、荷造り用のロープなどに使用されています。吸水性が無いので濡れても強度が落ちることがありません。漁網やタイルカーペットなどの用途もあります。

 

■工業用部品
高剛性で機械的強度に優れ、軽量なため、自動車や家電製品の部品に多く用いられています。国産乗用車は全重量の約8%がプラスチックで構成されており、その中でも約4%をPPが占めています。バンパーやインストルメントパネル、エアクリーナーなどに使われています。
家電部品では洗濯機の洗濯槽が代表的で、槽の大型化や薄肉化のために成形流動性の高いPPが用いられています。その他に冷蔵庫のトレイや扇風機のファンなどの用途もあります。

 

オーストラリアドル等の紙幣は紙ではなく、PP製の紙幣(?)が使われています。耐用年数は紙の3〜5倍といわれており、偽造防止にも効果があるようです。
皆さんご存じでしたか?

樹脂の話 第12回

Vol.12 いろいろ
樹脂の話は今回が最終回です。
長らくのご愛読ありがとうございました。

NYKNews Vol.12(2009年3月掲載)

 

今回は「樹脂の話」最終回ということで、日常生活で見られる樹脂について紹介していきます。

 

1. 低反発枕
ウレタン樹脂を発泡させたウレタンフォームを材料としています(テンピュールR 等が有名)。高密度のウレタン樹脂発泡体で、連通した気泡構造をしています。
■なぜゆっくりと復元するのか
低反発素材は反発弾性率が約15%以下(一般的な自動車シート用クッション材で約50%、玩具のスーパーボールは約83%)と小さいため、外力を取り除いてもゆっくりと復元します。

 

2. チューインガム
チューインガムも樹脂で出来ています。チューインガムの基となるガムベースは、天然樹脂(クチル)や酢酸ビニル樹脂等を混練して作られます。酢酸ビニル樹脂の割合が多いと、良く伸びるガム(=風船ガム)になります。
■噛むと軟らかくなるのはなぜか
樹脂にはその温度以上になると軟らかくなる温度(ガラス転移点=Tg)があります。酢酸ビニル樹脂のTgは約30℃なので、口の中で温まると軟らかくなります。

 

3. 洗剤いらずのスポンジ
「水だけで汚れが落ちる」というスポンジをご存じでしょうか(「激落ちくんR」等が有名)。この正体はメラミン樹脂を発泡成形したメラミンフォームです。メラミンフォームは触ると軟らかいですが、実際には意外と硬度が大きく(ポリプロピレンの約2倍)、かつ脆いという特徴を持っています。
■洗剤なしで汚れが落ちるのはなぜか
メラミンフォームは約200nmの細い(髪の毛の約500分の1)繊維状の分子が複雑に結合した構造をしています。この細かい分子が汚れを掻き出すため、水だけでも汚れが落ちます。また、脆いという特徴からスポンジの表面が次第に脱離していき、中から新しい面が出てくるので汚れ落ちが続きます。これは消しゴムと同じ原理で、使用しているうちにスポンジは小さくなっていきます。

 

私たちの生活は樹脂製品が欠かせないものになっており、従来では考えられなかった分野にまで用途が広がっています。

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