NYK 日本容器工業グループ 株式会社エヌ・ワイ・ケイ

樹脂の話 第4回

Vol.4 ポリアミド樹脂
今回は、ナイロンという通称で知られているポリアミド樹脂です。

NYKNews Vol.4(2007年11月掲載) 図:代表的なナイロンの化学式

 

NYK,受水槽,貯水槽,メーカー,鋼板製一体形タンク,食品タンク,エポキシ樹脂ライニング,防食施工

1.ポリアミド樹脂(PA)とは
 主鎖にアミド結合を持つ高分子です。1934年(諸説有り)にデュポン社で世界初の完全人工合成繊維(「ナイロン」)として開発されました。「ナイロン」は商品名ですが、現在ではPAの総称として使われています。

 

2.ナイロンの主な特徴
・広い温度範囲で強靱かつ柔軟性がある。
・優れた耐油性、耐溶剤性をもつ。
・吸湿性が大きい。
・充填材による補強効果が大きい。
・自己消化性がある。
・酸や強アルカリに弱い。
・フェノール、アルコールに弱い。

 

3.用途
 日常生活においては、ストッキングやスキーウェア、ウインドブレーカーなどの衣類が一般的です。しかしこれらはナイロンの全需要量の約10%ほどでしかありません。ナイロンの最大の市場は自動車部品で、全需要量の約40%に当たります。具体的にはオイルタンクやエンジンカバー、ギヤボックスカバーなどです。電気・電子機器分野では産業用機器などのコネクターやスイッチ、ハウジングなどに使用されていて、全需要量の約25%です。

 

4.特殊なナイロン
 デュポン社の「ケブラー」は同じ重さの鋼鉄と比べて5倍の強度を持つ軽量な素材として、防弾チョッキにも使用されています。また、同社の「ノーメックス」や帝人社の「コーネックス」は優れた防炎性、耐熱性をもつ繊維として防火服にも使われています。これらはナイロンの仲間のアラミドという繊維で作られています。ナイロンは「石炭と水と空気から作られ、鋼鉄よりも強く、クモの糸より細い」というのが当時のキャッチフレーズだったそうです。ご存じの方はどのくらいいらっしゃるでしょうか?

樹脂の話 第5回

Vol.5 ポリエチレン
ポリアミド、ポリウレタン、「ポリ」にもいろいろあれど、一般的にポリ袋、ポリバケツと言われているものの多くはこれ。

NYKNews Vol.5(2008年1月掲載) 図:ポリエチレンの化学式

 

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1.ポリエチレン(PE)とは
エチレンが重合した構造を持つ高分子で、略称はPEです。密度によって低密度ポリエチレン(LDPE)と高密度ポリエチレン(HDPE)の2つに大別されます。密度によって性質が異なり、用途も違ってきます。

 

2.LDPE、HDPE共通の特徴
・Tgが-120℃と低く、低温でも脆化しにくい。
・耐水性、耐薬品性に優れている。
・耐候性、耐熱性に劣る。

 

3.LDPE
3-1 LDPEの特徴
・柔軟で手触りが良い。
・透明性がある。
3-2 LDPEの用途
身近なところでは生ものを買い物した際に、水分や脂が漏れるのを防ぐために入れる小さい袋がLDPEで出来ています。また菓子やパンの袋にも用いられ、LDPEの全需要の約50%が袋やラップなどのフィルムです。その他電線の内層被覆材や、医療用途として注射剤容器や点滴用バッグにも使われています。

 

4.HDPE
4-1 HDPEの特徴
・強度が高い。(LDPEの約1.5倍)
・フィルム状にしても不透明である。
4-2 HDPEの用途
こちらも全需要の35%がフィルムにあたり、レジ袋が有名です。白色のものは着色剤を添加したもので、着色剤を添加しないものはすりガラス状の半透明な袋になります。この他、灯油缶などの容器や、ガス管、水道管にも使われています。HDPE製の水道管は金属管に比べて耐震性が良く、凍結にも強いとされています。

 

5.特殊なPE
一般にPEというと安価で使い捨てのイメージですが、そうでないものもあります。例えば東洋紡の「ダイニーマ 」は超高分子量PE繊維で、ピアノ線の8倍の強度を持ち、理論的には直径10m-mで20tを釣り下げることも可能だそうです。ロープやスポーツ用品などの用途があります。

 

牛乳パックの内面にはPEがコーティングされています。上部はヒートシールされていて、「あけくち」の反対側は簡単には開きません。失敗した経験のある人も多いのではないでしょうか。

樹脂の話 第6回

Vol.6 ポリスチレン
ポリスチレン?でも、発泡スチロール、これならよく知ってます。

NYKNews Vol.6(2008年3月掲載) 図:ポリスチレンの化学式

 

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1.ポリスチレンとは
スチレンを重合して得られる高分子で、プラスチックの分類を示す略号はPSです。私たちの生活には色々なポリスチレンがありますが、ここではポリスチレンを発泡させた発泡スチロールについてお話しします。

 

2.色々な発泡スチロール
発泡スチロールは製法によって大きく3つに分けることができます。

 

 1)EPS ( expanded polystyrene)
 荷物を衝撃から守る緩衝材や海産物 等を入れる箱などに使用されている 発泡スチロール。

 

 2)PSP (polystyrene paper)
 スーパーなどでよく見る、肉や魚の トレーに使用されている発泡スチロ ール。

 

 3)XPS (extruded polystyrene)
 主に建築用の断熱材として使用され ている発泡スチロール。
1)〜3)の原料は同じですが、粒の大きさが異なり、PSP<EPS≦XPSです。
3)は堅くて難燃性の発泡スチロールです。

 

3.リサイクル
EPSでは、2006年の回収量は17.9万tでした。それらのうち7.6万t(45%)がマテリアルリサイクに、4.9万t(29%)がサーマルリサイクル(発電付焼却)に利用され、4.4万t(26%) が単純焼却・埋め立てされました。

 

4.おわりに
発泡スチロールは体積の95〜98%が空気でできており、しかもその空気は細かな部屋で仕切られているため比重が小さく、断熱性に優れています。カップ麺の容器が軽くて、熱いお湯を注いでも外側が熱くならないのはこのためです。
皆さんご存じでしたか?

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