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鉄学概論 第13回〜第15回

2007年から2014年まで皆様にお届けしたNYKNewsから、ご好評いただいたコラム溢水口の連載”鉄学概論”をご紹介いたします。

鉄学概論 第13回:時鉄A−時刻表を読みこなす

東北新幹線が新青森まで開通。
これはめでたい事ですが、平走する在来線が第3セクター化され運賃を値上りせざるを得ない状況になりました。
乗客減→廃線という流れが心配です…。
さて、久しぶりに時刻表の話を。

NYKNews Vol.24(2011年3月掲載)

写真:JR東海373系電車(ムーンライトながら※定期運行往時の勇姿)

 

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日本で1番売れる本、と言われている時刻表。
本来鉄道旅行計画の際に発着時刻を確認するものであるがゆえに、時刻表のページだけを見る人がほとんどであろう。しかし、他ページに目を通すと、面白い発見が出来るものだ。

 

@130円で一都六県大回りの旅をする
例えば東京から神田まで行くには、山手線内回り1駅で、ハイ、おしまい。これを、東海道線↓相模線↓八高線↓両毛線…と時計廻りに2度同じ駅を通らぬように乗り継ぎ、最後に山手線で神田駅に到着する。
「えっ、それキセルでしょ?」
と思われるかも知れないが、実は合法なのである。時刻表のピンクのページ、JR線営業案内をひもとくと、
「乗車経路を重複したり、同じ駅を2度通らない限り、運賃は実際の乗車経路にかかわらず、最も安くなる経路で計算できる」
とある。つまり、改札さえ出なければちょっとした旅が出来るのである。主要駅で降りればその地名物の駅弁や、「エキナカ」でショッピングなどを楽しむこともできる。
ただし、東京・新潟・大阪・福岡の近郊区間内のみでの利用に限る。この区間以外ではただの乗り越し、これは違法なのでやってはイケナイ。

 

A普通料金で特急用車両に乗る
特急に使用される車両は、窓が大きく、イスはゆったりとして乗り心地が良い。
「そりゃ乗りたいけど、特急券が必要だし…。」
いやいや、実は普通乗車券のみで特急用車両に乗る事が出来る場合もあるのである。
例えば、青函トンネルを含む蟹田駅↓木古内駅間は特急列車のみの運行となっており、普通列車がない。そのためこの区間内の駅から乗って、この区間内の駅に降りる場合に限り、普通乗車券のみで利用できる。また、新夕張駅→新得駅間も同様。これらは、「制度として特急に乗れる」という特例だ。
もう一つは、普通列車に特急用車両が使われている場合。これを時刻表から読み解く。
例えば、外房線特急わかしお。時刻表には、「勝浦↓安房鴨川間普通列車」と書かれている。つまりその区間は普通料金だけで乗れるわけだ。
また、東海道線の普通列車にはグリーン車が接続されている。だから、時刻表の列車名の欄にグリーン車のマークが書いてあるのが通常である。しかし、東京駅05:20発静岡行き普通列車だけにはその記載がない。そこで、もしかして他の列車とは違う車種が使われているのではないか?と推測してみるわけである。
そう、実はこの列車、JR東海の特急電車373系が使用されているのだ!
それとは逆のパターンで、篠ノ井線の普通列車は115系3両編成が基本で、グリーン車の接続は無い。しかし、長野06:55発松本行だけにはグリーンマークが記載されている!実はこの快速、特急あずさと同じE257系が使用されているのである。
探せば他にもまだまだ…。
ただし、何らかの事情で車両が変更になる可能性もある。なぜならば鉄道会社は、普通列車については使用車種を約束してはいないからだ。だから、せっかく出掛けたのに、今日に限って普通車両に変更、なんてこともあるし、通常6両編成が3両に車両数が減らされる、ということもある。
それから、あくまで特急用の車両ってだけであって、特急運転ではないということをお忘れなく…。(A)

鉄学概論 第14回:時鉄B―乗れない時刻表

長野電鉄屋代線の振興策を議論してきた長野電鉄活性化協議会は、屋代線を廃線、バスへの転換を決定、魅力的な路線が無くなってしまうのは耐え難いです…。
さて今回も引き続き時刻表のお話です。
旅客列車を1本も掲載しない時刻表について。

NYKNews Vol.25(2011年5月掲載)

 

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旅客列車がまったく掲載されていない時刻表、いわば「乗れない時刻表」が市販されている。
鉄道のお客は人間だけではない。全国の荷主から預かった貨物も大切なお客様。貨物を運ぶ列車もダイヤに則って運行されている。当然時刻表もあるというわけだ。これが「JR貨物時刻表」である。

 

貨物時刻表、基本的には旅客用と同じ表記で記載されている。が、決定的に違うのは、「停車」の定義づけである。一般的に停車と言えば、車輌が一時的に停まることであるが、貨物の「停車」とは「編成の解放・連結・着発線荷役作業を行うこと」を指す。運転士交替などの、解結・荷役作業を伴わない停車は「運転上の停車」と言い、時刻を括弧書きで表記している。
あまりにも業務用に作られている為、旅客の時刻表は読みこなせても、これを読みこなすのは非常に難しい。しかし、貨車( コキ50000形・タキ38000形など※)の寸法図面入りの紹介や、コンテナ取扱駅の構内図など、コアな情報が満載であり、貨物輸送と鉄道の頼もしさが伝わってくる力作である。
機関車好きの撮り鉄は当然のことながら、その他「鉄」を名乗るものであれば一度は目を通しておきたい一冊だ。
さて、旅客列車と同じ路線で運行されることもある貨物列車だが、旅客列車が集中する都市部では貨物専用の線路がある。例えば、埼京線の池袋・渋谷間や、成田エクスプレスの新宿・品川間などの山手線との併走区間は、元々「山手貨物線」と言う貨物専用線である。
ここで行楽シーズンの臨時列車「ホリデー快速鎌倉号※2」を紹介したい。武蔵野線・横須賀線を接続、南越谷?鶴見?鎌倉と直通運行する列車である。「え?武蔵野線って府中本町までじゃないの?」と思われるかも知れない。
確かに旅客営業区間は府中本町までだが、その先、鶴見まで貨物専用線として線路は続いており、鶴見までが武蔵野線なのである。この普段旅客列車の走ることのない貨物専用区間を、ホリデー快速鎌倉号は走る。
列車は府中本町駅直前で貨物線に進路を取る。いきなりトンネルに入り、しばらく出入りが繰り返される。トンネルとトンネルの間、一瞬垣間見える「東京郊外にこんな山深い所があったのか?!」と驚かされる風景や、普段お目に掛かれない「梶ヶ谷貨物ターミナル駅」などを見ることができ、深く感銘を受けること請け合いの列車である。(A)

 

※コキ・タキは貨車記号。
コはコンテナ車、タはタンク車を表す。キはそれぞれ積載量25t以上であることを表す。
※2 計画停電の為、今春は運転取り止めになった。

鉄学概論 第15回:乗鉄―吊り革

2月,『懐かしの113系電車で行く東海道線の旅』ツアーが開催され,幕張車両センター所属の113系マリ117編成(4両湘南色編成)が臨時運転されました。
いやぁぁ〜抵抗制御ってホンットにいいものですね。感無量です。
さて、今回は普段何気なくつかんでいる吊り革について。

NYKNews Vol.26(2011年7月掲載)

 

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日本では明治時代に開業した京電で国内初の吊り革が登場した。当時は、革のベルトでつくった輪をぶら下げただけ、文字通りの「吊り革」であった。現在ではベルトの先に握りが付いており「吊り手」とも称される。
電車に乗ればイヤでも目につくこの吊り革、無意識につかんでいる人が圧倒的であろう地味な設備であるが、形状・色・取り付け位置等、快適性・人間工学的見地など踏まえてデザインされており、各社、各路線による違いがあり、実に奥深い世界が広がっている。形状に重点を置くと、以前までは基本形といえる丸と正三角形※で色は白かグレー、これが圧倒的であったが、近年は三角形の斜辺を引き伸ばしたおしゃれな二等辺三角形や、ディズニーリゾートラインではミッキーマウスを模した丸い耳がついている愛らしい吊り革などが見うけられる。丸型は輪そのものを回せるため、他の人が触れていた部分を避けて握ることができる、というメリットがある。
吊り革の取り付け高さも、地域によって異なり、俗に「東高西低」などといわれていたりする。ラッシュが特にひどい東京圏では乗客の顔などにぶつかるのを防ぐため、帯を短くし、床から高くする傾向があり、一方、比較的ラッシュがひどくない大阪圏などその他の地域では、つかみやすさの方が優先され、逆に帯を長くし、床からの高さを低くする傾向が見うけられる。
ちなみに社団法人鉄道総合研究所の実験によると、つかみやすさで選べば丸形で正面(線路に並行)、長時間の持ちやすさで選べば三角で横(線路に垂直)、高さは160cmがベストだと評価している。
吊り革を持っている人の手に注目してみよう。これもまた人によってさまざまである。
一番よく見られる、5本の指全部を使って取っ手を持つ俗称「握り」と言われる持ち方が基本形とすれば、そこからさらに指を部分的に掛けるスタイルや、取っ手全体を外側から包む「ワッカ持ち」、ベルトの部分をつかむ「革持ち」、取っ手の内側に手を通す「中通し」、複数を同時にまとめてつかむ「2個持ち」、などの持ち方があり、さらに、いくつかを融合した合わせ技?や連続技?、など、独自の変化型を編み出す人もいる。
無意識につかむがゆえ、その人の個性がはっきりと出る。意識して見てみよう、憂鬱な通勤ラッシュも、少し楽しくなるに違いない。(A)

 

※ 1970年代中期以降に東京圏の国電で採用が広がっていったが、この時のものは線路に並行して設置されていた。

鉄学概論 第16回〜第18回

鉄学概論 第16回〜第18回はこちらをご覧ください。


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